2014年06月26日
『当帰(トウキ)の里』高野町富貴を訪ねて
皆さんは当帰と呼ばれる薬草をご存知でしょうか。
安政2年、高野山の学僧により薬草である当帰がもたらされたとされており、山間部に位置する村にとって現金収入に結びつく貴重な産物の一つであったようです(参考文献1.2)
富貴で栽培されている当帰は株全体に独特の香りと赤褐色の飴色に仕上がったものが良品とされています。
漢方薬として使われるのは根の部分で、精油が含まれており、婦人薬、冷え性用薬、滋養強壮薬、精神神経用薬、として処方されており(参考文献3)、生産農家は漢方薬メーカーに全量販売という形で営農されています。
写真1 当帰の花。小さくて可愛いですね。
写真2 育成中の当帰の苗
左側の畝には昨年育成され、本年移植された2年目の苗が並んでいます
富貴では自家で栽培している当帰から親株をつくり、種を採取して栽培しています。
栽培には大変手間がかかり、育苗に1年間要し、茎の太さが鉛筆程度(5~8mm)となったころから畑に移植します。
栽培期間中はダニやヨトウムシ等の虫から作物を守りつつ11月下旬まで育成します。
収穫した当帰は2株ずつ結束し、「はさがけ」し乾燥させます。2月まで乾燥させた株を60~70℃のお湯で洗浄し、再度乾燥させてから出荷します。
写真3 「はさがけ」で乾燥処理
当帰は多くの漢方薬や入浴剤、そして韓国料理の参鶏湯(サムゲタン)に用いられているので、その名は知っている方でも植物体そのものや、当地で古くから栽培されていることまでは知っている方は少ないかもしれません。
この記事をご覧になって当帰を身近なものと感じて頂けると幸いです。
(参考文献)1.高野町史編纂委員会『高野町史』(史料編) 2011年高野町発行
2. 〃 『高野町史』(近現代年表) 〃
3.農林水産省『薬用作物をめぐる事情』(史料9)平成25年9月
(文責:伊都振興局農業振興課 北原伸浩)
安政2年、高野山の学僧により薬草である当帰がもたらされたとされており、山間部に位置する村にとって現金収入に結びつく貴重な産物の一つであったようです(参考文献1.2)
富貴で栽培されている当帰は株全体に独特の香りと赤褐色の飴色に仕上がったものが良品とされています。
漢方薬として使われるのは根の部分で、精油が含まれており、婦人薬、冷え性用薬、滋養強壮薬、精神神経用薬、として処方されており(参考文献3)、生産農家は漢方薬メーカーに全量販売という形で営農されています。
写真1 当帰の花。小さくて可愛いですね。
写真2 育成中の当帰の苗
左側の畝には昨年育成され、本年移植された2年目の苗が並んでいます
富貴では自家で栽培している当帰から親株をつくり、種を採取して栽培しています。
栽培には大変手間がかかり、育苗に1年間要し、茎の太さが鉛筆程度(5~8mm)となったころから畑に移植します。
栽培期間中はダニやヨトウムシ等の虫から作物を守りつつ11月下旬まで育成します。
収穫した当帰は2株ずつ結束し、「はさがけ」し乾燥させます。2月まで乾燥させた株を60~70℃のお湯で洗浄し、再度乾燥させてから出荷します。
写真3 「はさがけ」で乾燥処理
当帰は多くの漢方薬や入浴剤、そして韓国料理の参鶏湯(サムゲタン)に用いられているので、その名は知っている方でも植物体そのものや、当地で古くから栽培されていることまでは知っている方は少ないかもしれません。
この記事をご覧になって当帰を身近なものと感じて頂けると幸いです。
(参考文献)1.高野町史編纂委員会『高野町史』(史料編) 2011年高野町発行
2. 〃 『高野町史』(近現代年表) 〃
3.農林水産省『薬用作物をめぐる事情』(史料9)平成25年9月
(文責:伊都振興局農業振興課 北原伸浩)
Posted by 伊都振興局農業振興瓦版 at 16:13│Comments(0)
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