読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 198人
新規投稿

新規投稿するにはログインする必要があります。会員IDをお持ちでない方はIDを取得された後に投稿できるようになります。
QRコード
QRCODE
プロフィール
広報ブログ編集長
広報ブログ編集長
和歌山県広報課です。
和歌山県の観光・食・文化・自然・産業などの魅力を発信しています。和歌山のホットな情報をタイムリーに提供していきます。
もちろん、リンクフリーですのでどんどん広めて下さい!

なおコメントに対する返信は原則として行いませんので、あしからずご了承ください。
<和歌山県ソーシャルメディア運用ポリシー>
http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/000200/snspolicy.html

和歌山の情報発信
ブログポータル

ログインはTOPページで
私も作ってみる


[PR] 和歌山情報ブログでチェックイコラブログ
[PR] 商品ページ1ページからリニューアル!!楽天ヤフーOK!現在キャンペーン


アクセスカウンタ

2013年06月24日

和歌山県出身者が支えたオーストラリアの真珠貝産業

明治初期以降、たくさんの日本人がオーストラリア大陸に渡りました。明治34年(1901年)にオーストラリア連邦が成立した年にはすでに約3600人の日本人が住んでいたと言われており、その大半が真珠貝産業やサトウキビ産業に従事していた契約労働者でした。

当時のオーストラリア大陸北部の発展を支えた真珠貝産業は主に木曜島、ブルーム、ダーウィンの3つの町で盛んでした。明治以降、和歌山県からは北・中南米大陸への移民がたくさん出ていることがよく知られていますが、オーストラリア大陸北部にも大勢の人々が成功を夢見て渡りました。


真珠貝産業に従事するダイバーの大半が和歌山県南部の農漁村出身の若者でした。司馬遼太郎さんの「木曜島の夜会」の舞台である木曜島や、太地町との姉妹交流で知られるブルームに和歌山県からたくさんの人々が渡ったことはご存じの方も多いと思いますが、北部準州の州都ダーウィンでも多くの和歌山県出身者が真珠貝採取の仕事に就いていました。


(ダーウィン市内から海を臨む)


ダーウィンを訪問した際に、日本人墓地があると聞いて現地の方に案内していただきました。市内の外れにある共同墓地の一画にコンクリートで作られた日本式のお墓が20基ほどまとまってありました。ここにあるお墓の多くは昭和初期に建てられており、雨風による劣化で文字が読み難くなっているものもありましたが、少なくともうち15基は和歌山県出身者のものであることが確認できました。


(共同墓地の一画にある日本人墓地)


(お墓には西牟婁郡や東牟婁郡という文字が多く見られる。)

木曜島やブルームにある日本人墓地と比べるとずっと小規模で、現地に住む日本人の間でもあまり知られていない墓地ですが、現地に長年住まわれている日本人の方がきちんとお世話してくださっています。


ダーウィン博物館には当時の潜水服や採取された真珠貝が展示されています。鉄でできた「釜」のようなヘルメットを被って、船上の手動ポンプからホースを通って送られてくる空気と首に巻かれた命綱とを頼りに時には50m以上も潜り、見通しが悪くて流れもある海底で真珠貝を採取する仕事は危険で、毎年ダイバーの約10パーセントが潜水中の事故で命を亡くしたと言われています。

ダーウィンで亡くなった方の詳しい数はわかりませんが、木曜島では561人、ブルームでは977人の日本人ダイバーが昭和16年(1941年)までに亡くなったそうで、命は助かったものの潜水病の後遺症で長い間苦しんだ方々も多くいます。その仕事の過酷さは「木曜島の夜会」で詳しく述べられているところです。


(ダーウィン博物館に展示されている鉄製ヘルメットと真珠貝)



なお、当時は真珠貝から真珠を採っていたのではなく、貝殻をくり貫いて「高級ボタン」として利用していました。


和歌山県出身者が支えたオーストラリアの真珠貝産業は、第二次世界大戦の勃発による日本人労働者の流出やプラスチック製品の普及などによって戦後は衰退しましたが、オーストラリア北部の町が発展するきっかけになったことは間違いありません。ダーウィンには今も日本人墓地を管理してくださっている方や、日豪の歴史的関係を両国民が忘れないように活動されている北部準州豪日協会の方々がいらっしゃいます。皆さんももしオーストラリアに来られる機会があれば少し回り道をして現地を訪れてみてはいかがでしょうか?

(文責:在シドニー日本国総領事館 山田啓之)

同じカテゴリー(広報一般)の記事画像
令和4年度「紀の国森づくり基金活用事業(公募事業)」を募集します!
シンポジウム「インターネットと人権」を開催します!
令和3年度(第2次)「紀の国森づくり基金活用事業(公募事業)」を募集します!
令和2年度『クリーンアップ運動~スポGOMI大会(和歌山市)~』参加者募集!
シンポジウム「インターネットと人権」を開催します!
令和3年度「紀の国森づくり基金活用事業(公募事業)」を募集します!
同じカテゴリー(広報一般)の記事
 令和4年度「紀の国森づくり基金活用事業(公募事業)」を募集します! (2022-01-04 10:00)
 シンポジウム「インターネットと人権」を開催します! (2021-12-22 17:23)
 令和3年度(第2次)「紀の国森づくり基金活用事業(公募事業)」を募集します! (2021-05-20 09:01)
 令和2年度『クリーンアップ運動~スポGOMI大会(和歌山市)~』参加者募集! (2021-01-22 17:00)
 シンポジウム「インターネットと人権」を開催します! (2020-12-14 09:00)
 令和3年度「紀の国森づくり基金活用事業(公募事業)」を募集します! (2020-11-26 09:00)
Posted by シドニーやま at 00:51│Comments(2)広報一般
この記事へのコメント
和歌山県広報さま、北部準州豪日協会AJANTのことを取り上げていただいてありがとうございました。

オーストラリアにこられるときには是非ダーウィンにもお立ち寄りくださいませ。ダーウィンは常夏で自然豊か、夕日が美しく、また多くの民族が暮らす多文化都市でもあります。

お問い合わせなどありましたらはこちらまでお気軽にご連絡ください。japanesecommunitydarwin@gmail.com  
Posted by 北部準州豪日協会より at 2013年07月18日 22:04
コメントをいただき、ありがとうございました。
和歌山からたくさんの方々にぜひダーウィンを訪れてもらいたいと思っています。これからもよろしくお願いします。
Posted by 山田 at 2013年07月29日 21:49
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。