2013年11月08日
ジオパーク目指して、『地獄の釜』の大掃除【串本町】
串本町大島須江地区には『地獄の釜』とよばれる上部直径約70m、深さ約40mにも及ぶ円錐形のタテ穴があります。さらにタテ穴と海が、洞窟(長さ約25m、幅約5m、高さ約6~7m)でつながる特徴的な地形です。タテ穴の縁に立つと思わず足がすくみます。
波浪による浸食でできた洞窟の上部が陥没することで出来上がったのではないかと思われますが詳しいことは良く分かっていません。
『地獄の釜』には、その昔、六部(六十六カ国の霊場にお経を納めて廻る行者)が2人の武士に追いかけられ、この穴の淵まで追いつめられ斬り殺され底に転落した、という悲惨な伝説があります。
11月2日(土)、南紀熊野ジオパーク活動調査研究事業の一環として、大辺路刈り開き隊が主催・実施した『地獄の釜』清掃活動に参加してきましたのでレポートします。
(釜の底)
今回の清掃活動には、主催の大辺路刈り開き隊(上野隊長)や地元串本古座高校生徒、一般ボランティア、串本町職員と県職員ら合計27名が参加しました。
崖から釜の底に降りることは危険が伴うため、渡船と手こぎボートを使って上野隊長と隊員2名、県職員2名(自然環境室1名、東牟婁振興局1名)の5名が海から向かいます。ボート進入口の岩場は狭く浅く、波が穏やかで無ければ進入すら難しい場所です。
(ボートで洞窟に近づきます。)
底には、空き缶やペットボトル、鉄パイプ、ストーブやレンジなどの投棄ゴミに加え、洞窟を通じて波浪で打ち上がった流木、漁業用ロープやブイ、塩ビパイプ、発泡スチロール、プラスチック製品など漂着ゴミが、足の踏み場も無いほど溜まっていました。
釜の底に入った隊長以下5人が大型土嚢にゴミを集め、崖の上からは別働隊がロープと滑車を使い人力で土嚢を引き上げます。引き上げ時に、斜面から落石が発生することもあり、メンバーに緊張が走る場面も何度かありました。
(大型土嚢を引き上げています。)
引き上げられたゴミは高校生や一般ボランティアらが一輪車で搬出し分別していきます。
作業は10:00~15:00まで繰り返し続き、ご覧の通り大量のゴミを回収することができました。
『地獄の釜』は珍しい地形ですが、現時点は南紀熊野ジオパーク構想におけるジオサイト候補地ではありません。少なからず危険が伴う為、橋杭岩などのように気軽に観光できる場所でもありません。
しかしながら、恐ろしげな地名と相まって、子供の頃「トムソーヤーの冒険」を読んだときの気持ちを思い出させてくれる場所でした。
今後『地獄の釜』をジオサイトとして活用を目指す為には、まずこの地形の成り立ちに関する専門家の意見を求める必要があります。そのうえで、今回の経験もふまえ、どのような見せ方が可能で、観光時の安全確保はどうすべきかなど、地元関係者とより検討を進めていく必要があります。
(釜の底から真上を見上げた風景。)
(文責 東牟婁振興局 企画産業課 吉中秀郎)
波浪による浸食でできた洞窟の上部が陥没することで出来上がったのではないかと思われますが詳しいことは良く分かっていません。
『地獄の釜』には、その昔、六部(六十六カ国の霊場にお経を納めて廻る行者)が2人の武士に追いかけられ、この穴の淵まで追いつめられ斬り殺され底に転落した、という悲惨な伝説があります。
11月2日(土)、南紀熊野ジオパーク活動調査研究事業の一環として、大辺路刈り開き隊が主催・実施した『地獄の釜』清掃活動に参加してきましたのでレポートします。
(釜の底)
今回の清掃活動には、主催の大辺路刈り開き隊(上野隊長)や地元串本古座高校生徒、一般ボランティア、串本町職員と県職員ら合計27名が参加しました。
崖から釜の底に降りることは危険が伴うため、渡船と手こぎボートを使って上野隊長と隊員2名、県職員2名(自然環境室1名、東牟婁振興局1名)の5名が海から向かいます。ボート進入口の岩場は狭く浅く、波が穏やかで無ければ進入すら難しい場所です。
(ボートで洞窟に近づきます。)
底には、空き缶やペットボトル、鉄パイプ、ストーブやレンジなどの投棄ゴミに加え、洞窟を通じて波浪で打ち上がった流木、漁業用ロープやブイ、塩ビパイプ、発泡スチロール、プラスチック製品など漂着ゴミが、足の踏み場も無いほど溜まっていました。
釜の底に入った隊長以下5人が大型土嚢にゴミを集め、崖の上からは別働隊がロープと滑車を使い人力で土嚢を引き上げます。引き上げ時に、斜面から落石が発生することもあり、メンバーに緊張が走る場面も何度かありました。
(大型土嚢を引き上げています。)
引き上げられたゴミは高校生や一般ボランティアらが一輪車で搬出し分別していきます。
作業は10:00~15:00まで繰り返し続き、ご覧の通り大量のゴミを回収することができました。
『地獄の釜』は珍しい地形ですが、現時点は南紀熊野ジオパーク構想におけるジオサイト候補地ではありません。少なからず危険が伴う為、橋杭岩などのように気軽に観光できる場所でもありません。
しかしながら、恐ろしげな地名と相まって、子供の頃「トムソーヤーの冒険」を読んだときの気持ちを思い出させてくれる場所でした。
今後『地獄の釜』をジオサイトとして活用を目指す為には、まずこの地形の成り立ちに関する専門家の意見を求める必要があります。そのうえで、今回の経験もふまえ、どのような見せ方が可能で、観光時の安全確保はどうすべきかなど、地元関係者とより検討を進めていく必要があります。
(釜の底から真上を見上げた風景。)
(文責 東牟婁振興局 企画産業課 吉中秀郎)
Posted by くまくま at 21:27│Comments(0)
│観光・自然
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。