2013年05月29日
潮岬の海岸散策 ジオパークをめざして
日本の夕陽百選にも選出されている串本町潮岬灯台付近海岸にて、『ジオパークをめざして』(マグマからできた岩石を訪ねて)と題した研修会が5月28日(火)13時~15時にかけて開催されましたので、レポートします。
(潮岬灯台の夕陽)
今回の研修会は、和歌山県にi ターン移住された方々を対象に、地域資源を体験し理解を深める目的で、『田舎暮らしサポート研修』として和歌山県ふるさと定住センターが主催・開催したものです。
(前日5月27日には、北海道大学が古座川町に持つ和歌山研究林での体験研修も行われています。詳しくは和歌山県ふるさと定住センターBLOGにて)
今回研修の講師は、後 誠介 先生。(日本地質学会会員。南紀熊野ジオパーク推進協議会学術専門委員会委員)
『ジオパークは、地学のお勉強会だけではありません。景色を見て、写真を撮り、俳句短歌を詠み、あるいは絵を楽しむ。いろいろな切り口があります。ジオパークをもっと楽しんで行きましょう。』と後先生が冒頭挨拶。
受講者は13名。浜辺でのレクチャー後、フィールドワークのため脚立やロープを使い、全員磯場へ移動します。(当日は干潮でした。)
『潮岬、大島は大部分が約1600万年前に海底火山から噴出したマグマからできた岩体(潮岬火成複合岩体)。四国の足摺岬、室戸岬も同様の地質で偶然ではない。大陸より日本が離れ、日本海ができ始めたころの大規模な火山活動であった。』
『ここでは、古い順にから、①玄武岩、②石英斑岩、③ドレライト、④フェルサイト のマグマが交互に隙間に入りできている。それぞれの岩体が灯台方向(東西に)に向かって列状に並んでいる。』との後先生の説明を受け、実際に4種の小石をハンマーで叩き割って風化していないフレッシュな断面での特徴観察も行いました。
写真の岩体に、種類の異なる岩体が列状に入り込んでいるのが分かりますか?
県外大学生の地質フィールドワークも、この場所で行われることがあるそうですよ。
大地の不思議さを、潮岬灯台下の2時間の散策で体も動かしながら気持ちよく観察することができました。
潮岬の景色が大好きなのですが、楽しみ方がひとつ増えた様に思います。
皆さんも機会があれば、太古の大地の活動に思いをはせながら潮岬散策されてみてはいかがでしょうか?
大きな地図で見る
◆ジオパークとは
地質や地形を見どころとする大地の公園です。貴重で美しい地質や地形を含めた自然遺産を保全するとともに、ジオツーリズムを通じて地球科学の普及や環境教育などを行い、さらにこれらの遺産を観光資源として活用して地域社会の活性化を目指す取組みです。すでに、日本国内では、5地域の世界ジオパーク、20地域の日本ジオパークが認定され、各地で創意工夫を凝らしたまちづくりが進められています。和歌山県では『南紀熊野ジオパーク推進協議会』を設立し、認定に向けた取り組みを進めています。
(文責 東牟婁振興局 企画産業課 吉中 秀郎)
(潮岬灯台の夕陽)
今回の研修会は、和歌山県にi ターン移住された方々を対象に、地域資源を体験し理解を深める目的で、『田舎暮らしサポート研修』として和歌山県ふるさと定住センターが主催・開催したものです。
(前日5月27日には、北海道大学が古座川町に持つ和歌山研究林での体験研修も行われています。詳しくは和歌山県ふるさと定住センターBLOGにて)
今回研修の講師は、後 誠介 先生。(日本地質学会会員。南紀熊野ジオパーク推進協議会学術専門委員会委員)
『ジオパークは、地学のお勉強会だけではありません。景色を見て、写真を撮り、俳句短歌を詠み、あるいは絵を楽しむ。いろいろな切り口があります。ジオパークをもっと楽しんで行きましょう。』と後先生が冒頭挨拶。
受講者は13名。浜辺でのレクチャー後、フィールドワークのため脚立やロープを使い、全員磯場へ移動します。(当日は干潮でした。)
『潮岬、大島は大部分が約1600万年前に海底火山から噴出したマグマからできた岩体(潮岬火成複合岩体)。四国の足摺岬、室戸岬も同様の地質で偶然ではない。大陸より日本が離れ、日本海ができ始めたころの大規模な火山活動であった。』
『ここでは、古い順にから、①玄武岩、②石英斑岩、③ドレライト、④フェルサイト のマグマが交互に隙間に入りできている。それぞれの岩体が灯台方向(東西に)に向かって列状に並んでいる。』との後先生の説明を受け、実際に4種の小石をハンマーで叩き割って風化していないフレッシュな断面での特徴観察も行いました。
写真の岩体に、種類の異なる岩体が列状に入り込んでいるのが分かりますか?
県外大学生の地質フィールドワークも、この場所で行われることがあるそうですよ。
大地の不思議さを、潮岬灯台下の2時間の散策で体も動かしながら気持ちよく観察することができました。
潮岬の景色が大好きなのですが、楽しみ方がひとつ増えた様に思います。
皆さんも機会があれば、太古の大地の活動に思いをはせながら潮岬散策されてみてはいかがでしょうか?
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◆ジオパークとは
地質や地形を見どころとする大地の公園です。貴重で美しい地質や地形を含めた自然遺産を保全するとともに、ジオツーリズムを通じて地球科学の普及や環境教育などを行い、さらにこれらの遺産を観光資源として活用して地域社会の活性化を目指す取組みです。すでに、日本国内では、5地域の世界ジオパーク、20地域の日本ジオパークが認定され、各地で創意工夫を凝らしたまちづくりが進められています。和歌山県では『南紀熊野ジオパーク推進協議会』を設立し、認定に向けた取り組みを進めています。
(文責 東牟婁振興局 企画産業課 吉中 秀郎)
Posted by くまくま at 16:01│Comments(1)
│観光・自然
この記事へのコメント
古座に男性の中学(旧生)が無かったので古座、江住などから多くの同級が新宮へ通学していました。当事の新宮中学には三重県からと西牟婁郡からの生徒が30%も居たのではないでしょうか。一度食料難の時期に一同で潮の岬にでかけました。もっと学校を作るべきだと痛感しました。今も日本は大学数が少ないです。1億2000万に740ばかりの大学ですが、米国では2億5000万に2200の大学があります。大学が良き市民になる教育をするのですから、皆が高等教育を安く受ける権利があります。
那智高雄=鈴木
那智高雄=鈴木
Posted by takeshi suzuki at 2013年05月30日 08:34
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